「仕事」とは?顧客の困り事と真摯に向き合う|りんくうフレッシュのVMV
りんくうフレッシュ株式会社、広報担当の水木です。
今回は実際にあった仕事の相談を通して、当社のビジョン・ミッション・バリュー(VMV)を感じていただけるエピソードを掲載させていただきます。始まりは開業して間もない頃、通関業者の方からの連絡でした。その方は、切り花の数百束が燻蒸(くんじょう)にかかってしまったので後処理ができる業者を探しているようでした。
燻蒸(くんじょう)の後処理
燻蒸(くんじょう)とは、気体の薬剤を使って行う殺菌作業のことで、輸出先国・地域の空港で検疫が不許可となった場合、燻蒸処理を行う必要があります。しかし、切り花に燻蒸を行うと商品としての寿命が短くなってしまいます。燻蒸後に “適切な後処理” を施せば、燻蒸の影響を少なくできるのです。
後処理は燻蒸後すぐに行う必要があるため今日中の作業が必須でした。当時、当社は燻蒸の後処理業務を受けているわけではなかったですし、連絡があった時間はもう夕方で、遅い時間から特殊な業務を引き受けてくれる企業は少ないだろうと思いました。
今やれることをやる
燻蒸の後処理に対応できる資材を所有しているわけではありませんでした。しかし、電話の通関業者の困りきった声を聞いて「約束はできないけど、やれるだけやってみるよ」とお答えしていたのです。
とは言え、制限時間内に数百束もある切り花を後処理する方法は決まっていませんでした。まず、所有しているバケツをありったけ集めて時間を試算しましたが、時間がかかりすぎます。最終的には近所の魚屋に大きな水槽を借りる段階まで行ったのですが……。
通関業者から再度連絡があり「迷惑をかけてしまうので、自分たちでなんとかしてみる」と、お返事がありました。
「仕事」とは
結果として、今回の相談は仕事には繋がりませんでした。あーでもないこーでもないと、後処理の手配をしたのも、悪く言ってしまえば無駄な仕事になってしまいました。しかし、その通関業者様とは今もお付き合いが続いていて、頻度は多くないですがお仕事を依頼していただいています。
一定レベルの仕事を安定して提供するには基準・規則が必要ですし、どうにもできないモノや、誠意のない無茶な注文まで引き受ける必要はないと思います。しかし当社では、(技術や能力的に)できるできないではなく、今やれる仕事を提供し、相談者の問題や課題に寄り添うのが仕事の本来的な価値だと考えています。
世の中にはルールや古い慣習の隙間に落ちてしまった課題が溢れています。可能な限り柔軟な対応を心がけ、まずは身近な方たちの課題と真摯に向き合っていきます。